人工知能(AI)は、人間の声を聞くことで、気分の落ち込みや心臓発作の危険、運転席での居眠りなどを検知できるようになりつつある。現在、さまざまな企業や医療組織、政府機関が、人間の声を分析することで感情や精神的・肉体的な健康状態、身長・体重までも特定できる新システムの開発を行っている。こうしたテクノロジーは既に、コールセンターで通話から問題を察知するのに使用されている。また精神的・肉体的な病気を見極める手段の1つとして試している医師もいれば、採用候補者の選定に利用し始めている企業もある。こうしたことを可能にしているのが、一段とパワフルになった機械学習手法だ。AIシステムはトーンやテンポといった声の特性を測定し、幸福や悲しみ、怒りなどの感情として特定された音声パターンのデータと比較する。音声解析科学の歴史は数十年に及ぶが、コンピューティング能力の低価格化やグーグルの「TensorFlow(テンソルフロー)」などの新しいAIツールのおかげで、より野心的なプロジェクトが可能になった。