【テルアビブ】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が5期目の政権を目指す今回の総選挙は、同氏が公職に就いてきた20年間の成果と一連の汚職疑惑をめぐり、指導者としての資質を問う国民投票の様相を呈している。ただ結果がどうなろうと、同氏の右傾化政策によって決定的な変容を遂げたイスラエルの状況は変わらないだろう。  投票日を9日に控え、最終盤の世論調査は情勢が流動的であることを示している。ネタニヤフ氏への主要な挑戦者であるベニー・ガンツ元軍参謀総長率いる政党連合が、有権者の現政権への嫌気と、汚職疑惑に狙いを定め、与党リクードを若干上回る議席を確保しそうだ。