『週刊ダイヤモンド』4月13日号の第1特集は「統計学『超』入門」です。私たちに一番身近な統計データとして、“テレビ視聴率”があります。人々の注目度の指標にもなるこの統計は、どのように調査されているのでしょうか?(本記事は特集からの抜粋です)
身の回りにある統計でよく目にするのがテレビの視聴率だろう。この調査は統計学に基づいて行われている。
1962年以来57年にわたって視聴率調査を行っているビデオリサーチでは、現在、全国27地区の調査エリアにおいて、トータルで7100世帯を対象に調査を実施している。全国27地区には約4000万世帯もあるのに、なぜ7100世帯を調査しただけで視聴率が分かるのだろうか。
その秘密は、統計学の基本に忠実なサンプル調査にある。関東地区の例を使って説明しよう。同地区には約1900万の世帯があるが、そこからサンプルとして900世帯を抽出する。
具体的には、主に国勢調査を基に世帯に通し番号を振るイメージで、1900万をサンプル数900で割った21111を、最初にランダムに選んだ番号(21111未満)に加算していく。そうすると関東地区の縮図のような900世帯が抜き出せるというわけだ。サンプル世帯は毎月37~38世帯を入れ替え、2年間で全て入れ替わるようにしている。