米連邦準備制度理事会(FRB)は、他の公的機関が党派対立に振り回される中でも、一世代以上にわたり政治を超える存在であった。現職のジェローム・パウエル氏を含め、過去32年のうち28年間は共和党支持者がFRB議長を務めたが、共和党が政権を握っている時代でも、FRBが同党に有利な金融政策運営を行った形跡を見つけることは困難だ。政治任命の当局者が政治に無関心に振る舞うことは法律で定められている訳ではない。しかし、共和・民主両党が当然だと考えてきた慣例だ(これまではだが)。ドナルド・トランプ大統領も当初はこの慣例を守っていた。トランプ氏が指名したFRB当局者はパウエル氏(当時は理事)を含め、適任かつ能力が高く、政治に無関心だと高く評価された。だがトランプ氏はここにきて、その慣例を破りつつある。利上げをやり玉に挙げてパウエル氏を公然と批判し、自身と見解を共有する熱烈な支持者2人をFRB理事に指名する意向を示した。
FRBが政治化? それは上院次第
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