アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)とクアルコムのスティーブ・モレンコフCEOが1年前にアップル本社で行った協議は、最初から緊張が張り詰めていた。スマートフォン業界の2つの巨艦―アップルとクアルコム―を率いる両氏は、懸案の特許係争について議論しようとしていた。複数の関係者によると、クアルコムに対する敵対的買収をアップルが支持していると疑っていたモレンコフ氏は沈黙したままで、最初に口を開いたのは同氏の相談役だった。このぎこちなさに象徴される両CEOの冷たい関係は、両社の対立を史上まれに見る泥沼の企業紛争に発展させた。アップルはクアルコムを独占企業と呼び、モレンコフ氏が両社の和解交渉についてうそをついたと話している。一方のクアルコムは、アップルが世界中の当局をだまし、クアルコムと競合する半導体メーカーを助けるためにソフトウエアを盗んでいると非難してきた。
アップル対クアルコム、亀裂深めた両CEOの確執
両社の対立を史上まれに見る泥沼の企業紛争に発展させたのは2人の冷ややかな関係だ
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