米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が経営する宇宙ベンチャーのブルーオリジンはここ10年、イーロン・マスク氏率いる同業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)が達成した偉業の陰に隠れて目立たなかった。だが、そうした時期は終わった。10年前のブルーオリジンは創業者のベゾス氏と研究者数人で構成され、その他には平床トラックの荷台に積める着陸実験船が1つあるだけだった。米ワシントン州シアトル郊外の工業団地にある本社以外で活動している様子はなく、ベゾス氏が同社についてメディアに話すこともなかった。だがブルーオリジンは今や5カ所の拠点に2000人以上の従業員を抱える企業に成長した。ベゾス氏はこの会社に年間10億ドル(約1120億円)もの大金を投じている。拠点の1つである米テキサス州西部のロケット打ち上げ施設では、今年後半、「ニューシェパード」と呼ばれる準軌道宇宙旅行用ロケットの有人飛行テストを開始する。ロケットの名称は米国初の宇宙飛行士アラン・シェパード氏に由来するものだ。
ベゾス氏の宇宙事業、勝算はいかに
急拡大したブルーオリジン、実入りのいい官民の打ち上げ計画に食い込めるか
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