だが、ふるさと納税のような制度は、官僚主導のカネの配分よりマシだと、筆者は思っている。また寄付文化を日本でも根付かせたいという思いもあったが、それも着実に進展している。

 ちなみに、2018年度のふるさと納税額は3482億円だが、これに伴う住民税の控除額は2448億円で、その分の税収が減ったのはおおむね、財源が豊かな都市だ。

 その意味では、制度は、財源が豊かな自治体とそうでない自治体との税源の是正に基本的には貢献している。

 しかも、全体の控除額は個人住民税収12兆8235億円の2%程度のものだ。この程度なら、住民税の根幹を揺るがすことはない。

 また、自治体が寄付に対する返礼品をいろいろ工夫することで、新たな企画や事業が生まれ、地域が活性化している面がある。

 泉佐野市の場合でも、市内に本店、支店、営業所などを置く事業者の協力を得て、返礼品を1000種類近く用意。ふるさと納税額は、2016年度の約35億円が2017年度約135億円、2018年度497億円と増えてきた。

 ふるさと納税制度のおかげで、お金が集まれば人も集まり、自治体内の業者の仕事も増える、また納税の特集を組んだ書物には広告が集まるなど、好循環が起きているのだ。

返礼品への是非は
地域の住民が判断する話

 だがこうした取り組みに対しても「風当たり」は強い。

「返礼品が豪華すぎる」、「寄付を受ける地方の産品ではない」といった声があるのを受けて、総務省は、2017年4月1日、ふるさと納税の「返礼品競争」に歯止めをかけ始めた。

 返礼品を「寄付額の3割以下の地場産品」にするよう自治体に通知した。

 さらに3月に国会で成立した地方税法改正案では、総務大臣は、地方財政審議会の意見を聴いた上で、寄付金の募集を適正に実施する地方団体として、返礼品の返礼割合を3割以下にすることや返礼品を地場産品とすることを満たす自治体を指定するとされた。