一方、成長して一人前になった人は、給料をもらえるありがたみよりも「実感なき景気回復」を実感しているかもしれません。「景気が良くても家計は火の車」というやつです。その一つの原因は、企業がもうけたおカネを個人に回してこなかったことです。

 上図は、家計の額面・手取り月収と、日本企業の「内部留保」の蓄積の推移を追ったものです。

 内部留保とは一般的に、貸借対照表(BS)の純資産の部に記載されている利益剰余金を指します。成長投資にも株主や従業員にも回さずにため込んだ、企業のもうけです。

 2000年と18年の水準を比べると、額面・手取り月収は微減です。対照的に、企業の内部留保は157兆円から446兆円へと2.8倍も増加しました。これは、成長戦略を描けなくて成長投資にも従業員の給料にも回せず、保険としてもうけをため込んできた企業が多いことが要因です。

 ただ、ここでも業種によって勝ち組と負け組が分かれます。