希望の会社に意気揚々と入ったはずなのに、息子や娘の表情がどうにも暗い。休みもあまりとれていないようだ。もしかして、ブラック企業というヤツか――。実は、高学歴であるほどブラック企業、ブラック職場に取り込まれるケースが少なくないという。あなたの息子 娘の就職先がブラック認定だったら。そのとき、親は何をアドバイスすればよいのか。現在発売中の『息子娘を入れたい会社 2019』を一部抜粋し、親として知っておくべきブラック企業の見分け方と脱出方法を解説する。(解説/住川佳祐(QUEST法律事務所代表弁護士)、文/山本明文、『息子 娘を入れたい会社2019』編集部)

実は高学歴者ほど取り込まれやすい!
人気業種にも存在するブラック企業

住川佳祐
住川佳祐(すみかわ・けいすけ)
QUEST法律事務所代表弁護士。東京大学法学部卒。中央大学法科大学院修了。ブラック企業、不当解雇、パワハラ・セクハラなどの労働問題を数多く手掛ける。労働問題とその対策法などを弁護士が解説するサイト「クエストリーガルラボ」主宰

「ブラック企業の根幹は共通しています。それは、“できるだけ安く、できるだけ長時間、社員を働かせることで利益を出す”です」

 こう語るのは、ブラック企業対策など労働問題を数多く手掛けるQUEST法律事務所の住川佳祐弁護士だ。長時間労働の運送業やワンマン社長の中小企業だけではなく、有名大学の卒業者が就職する大手、一流といわれる企業にも同様の傾向が見られるという。

「むしろ、高学歴であるからこそ取り込まれやすいと言ってもいいと思います。良い大学に入り、良い企業に入社し、勝ち残ってきた高学歴者たちは、同僚たちとの競争に負けるわけにはいかない」(住川氏)

 たとえ労働環境がどこかおかしいと感じても、そこで脱落することは、彼ら彼女らにとっては人生を否定されるようなものだ。名の知られた企業であるほど、“そこで働く自分”でなくなることが何よりも怖い。長時間労働も過酷なストレスも、むしろ競争に勝つための試練と受け入れてしまう。