ほとぼりが冷めれば茶化す
呆れる「クリエイター」たちの態度

 Bさん(30代)は、とある広告代理店の「中の人」。チームに加わっていたあるプロジェクトの広告が炎上した。いわゆる「ジェンダー炎上」案件だった。

「ここ数年、女性の描かれ方について数々の炎上案件を見ていたので、どういうものが炎上するのか多少は知っているつもりだった。ただ、自分たちのつくるものがジェンダー炎上するとは思わなかったのが本音です」

 主にツイッター上で、Bさんがかかわった案件はボコボコに叩かれた。担当者には無意識の男尊女卑があるのだろうとも邪推された。こうなると、「担当者には女性もいた」とか、「女性蔑視の意図はなかった」と釈明したところで藪蛇なのは火を見るより明らか。謝罪には細心の注意を払い、どうにか鎮火にこぎ着けた。

 月日が経ち、今はその炎上案件を話に出す人はほとんどいない。今になってBさんは振り返る。

「正直、自分には表現の何が悪いのかピンと来なかったんです。ただ、企業広告を考える立場からして、怒りも含めさまざまな反応をしている人の意見を聞くことが必要だと思ったから、自分はネット上の意見をひたすら確認しました。

 疑問に思ったのは、プロジェクト内のメンバーはそういう自分の姿勢を理解してくれる人ばかりではなかったことです。ほとぼりが冷めると“一部のクレーマー”と言ったり、“また炎上しちゃう、怖い怖い”と茶化す人もいた。寄せられた怒りの声よりも、むしろクリエイターと言われる人たちのそういう態度を見て、炎上案件には真摯に向き合っていかなければならないのではと思いました」

 前に紹介したエピソードと同じく、同業者の意識の低さに呆れたということなのだろう。

人気の公式アカが炎上
でも、気にしないスタイル

 Cさん(40代)は、某メーカー勤務。あるとき、仲の良い同僚が担当する企業の公式アカウントが炎上した。

「詳しくは言えないのですが、注目度の高い公式アカウントだっただけに、いつかは炎上するんじゃないかと思っていた内部の人も多い。ただ、担当者が運用に長けていたので、炎上したとしても挽回できるだろうし、炎上リスクを考えてもアカウントを運用するメリットの方が大きいだろうと思われていた」