時代が変われば子育ても変わる。子どもを持つ親たちは、現代の子どもを取り巻く環境について、どんな感慨を抱いているのだろう。昔とは違う子育て事情について聞いた。(取材・文/フリーライター 鎌田和歌)
子ども時代を振り返ることは誰にでもあるもの。特に自分に子どもができてみると、「昔はこうだったな」と、今との違いを意識することも増えるものだ。戸惑うこともあれば、「昔と違って今の方が良い」と感じることもあるだろう。子育て真っ最中のアラフォー世代は、自分たちが子ども時代を過ごした約30年前と比べて、その違いをどう感じているのだろうか。
アラフォー世代に聞き、多く挙がった回答5選を紹介したい。
(1)「イクメン」の登場
「『イクメン』という言葉に賛否両論あるのは知っているが、昔よりも男性が育児を担うことが増えたのは明らか」(30代後半男性)
「休日に、お父さんと子どもだけでおでかけしている光景を見ることが格段に増えたと感じています。お母さんと子どもの組み合わせは見慣れているけれど、お父さんと子どもはまだ見慣れないので『おっ!』という感じ。スリング(抱っこひも)で赤ちゃんを抱いているお父さんも昔よりよく見る気がします。そのうちもっと当たり前の光景になるのかもしれませんね」(30代後半女性)
2000年代から急速に普及した「イクメン」という言葉。2000年代に入る直前に厚生省(当時)が発表したポスター「育児をしない男を、父とは呼ばない。」をよく覚えているアラフォーも多いだろう。おおむね絶賛で迎えられたポスターだったが、改めて今検索してみるとそれなりに反発もあったようで、「価値観の押し付け」「(少子化対策が露骨で)うんざり」といった感想をつづるブログもヒットする。とはいえ、やはり2000年代を境に、男性の育児についての価値観は徐々に変わりつつある。