子どもとは残酷なもので、何かと叱り役にまわることの多い母への反抗心からか、時として「ママよりパパの方が好き!」と爆弾発言をすることがある。子どもらしい無邪気さとはわかっていても、その一言で夫婦の間に微妙な緊張感が走る。突如始まる子どもの試し行動に、父親たちはどう対処しているのか。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
無邪気にはしゃぐ子ども
ママを気遣うパパ
共働き世帯が多い世相を反映してか、父親が子育てを「手伝う」という言い回しが昨今ではしばしば問題視されることがある。子どもへの責任の割合は父と母で50:50なのだから、母の比重が大きいことを前提とした「手伝う」という言い方はおかしい、とこういうわけである。
これには「なるほど」と思わされる部分があり、割合を押しつけられている側の女性としては面白くないのも当然であろう。世の男性はこの辺りのことを注意深くケアしながら立ち回ることができれば安泰である。
とはいえ、母親が中心となって子育てを行っている世帯は多い。実際に、父親側からの“押し付け”が行われている場合もあろうし、仕事の兼ね合いなどで母親が面倒を見た方が何かと都合がいい家庭もある。
筆者の周りを見渡しても、現状ではまだ「子育ては母親中心」としている世帯が多いと感じる。
しかし、子どもは奔放である。
好きなものは好きで嫌いなものは嫌い、これをはっきり表明してくる。そして時に、さまざまな理由から「パパの方が好き!」と宣言することもある。これをママの前で言われたパパとしては、うれしさと後ろめたさが入り交じる複雑な心境となる。
「パパの方が好き」とのたまう子どもを前にして、世のパパがあがく姿をご覧いただきたい。