子ども向け番組を一緒に見るうちに、いつしか親のほうが番組のファンになってしまう。最近ではそんなケースが珍しくないと言われる。子ども向けとはいえ名作も多いのだからおかしくはない。ハマってしまったその理由や経緯、その後についてを聞いてみた。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
テレビの時間は親の自由時間
VODも強力なサポートツール
子どもがテレビを見られる年齢になると、親としては少しばかり楽ができるようになる。基本的に目を離すと何をするかわからない子ども一般には監視の目を光らせるのが順当だが、子どもがテレビに夢中になってくれている間に限って親はその監視の目を緩めることができるからである。この隙に親は逐一、子どもの動向を把握しながら家事をこなし、スマホをいじるなどして、自分の時間を過ごせるのであった。
また最近ではVOD(ビデオ・オン・デマンド)も主流めいてきて、見たい番組を好きなタイミングで呼び出して視聴することが可能となった。これは育児をする上でも強力なサポートをしてくれるツールとなっている。「子どもにテレビや動画の類は見せない」とする教育方針もあろうが、筆者が観測している範囲ではその点特にこだわりなく(「1日の利用時間制限アリ」や「スマホでの視聴は禁止」といった細かいルールを設けることはあれど)子どもに視聴を許している親は多い。
子どもがアニメなどの番組にかぶりついている間は親もささやかな自由を満喫できるはずなのだが、親が子ども向け番組を一緒になって見る場合もある。それはコンテンツの正当性を親自身の目で監視・確認するためであったり、子どもとのコミュニケーションのためや、単に惰性でなんとなく見ているだけであったりする。
子ども向けの番組であるからしょせん、子どもだましであると端から決めてかかるのは早計で、これがなかなかどうして侮れず、中には大人を唸らせる内容になっているものすらある。
例えば2013年に公開されヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』は子育てママたちに強烈に支持された。