部下の尊敬と称賛を集める上司の下で働きたいと思う人は多い。だが悪い知らせがある。そうしたリーダーは、自分の人気を傷つけそうな厳しい決断を避ける可能性があるのだ。米ミシガン大学ロス経営大学院のシャーリーン・ケース准教授(経営組織学)は、社会的承認を重視するリーダーが決断を誤るケースを探っている。パーソナリティー・イン・ソーシャル・サイコロジー誌に掲載された論文で、ケース氏と同僚らは計1110人を対象に実験を5回行った。最初の3回ではまず、心理学的質問に基づいて参加者それぞれが好む組織階層へのアプローチを特定した。時には力づくで主張を通すことによって服従させる支配志向のリーダーか。それとも、チームのメンバーと良好な社会的関係を築いてそれを維持しようと努め、その尊敬や称賛を活用して他者に影響を及ぼそうとする名声志向のリーダーか。