アマゾン・ドット・コムはフェイスブック並みの問題に突き当たっている。あまりにも巨大化し、無秩序に広がった強力なビジネスを手がけているためにつまずきは避けられず、結果として製品やサービスに対する信頼、ワシントンとの友好関係、世界的な支配を達成する能力を損ない始めたのだ。ここでちょっと整理しよう。アマゾンは数千万点の商品を翌日配送することを業界標準にしたほか、クラウドコンピューティング事業を世界的にけん引し、高級スーパーマーケットのホールフーズを傘下に収めた(第2の食品スーパーもチェーン展開する予定)。警察の犯罪者識別を支援し、自社専用の航空貨物機を着実に増やし、年間110億ドル(約1兆2000億円)の広告収入を得ている。さらに、地球上のすべての人を対象に宇宙からインターネット接続を提供することを計画。米国の家庭の少なくとも1割で超小型マイクが常時音声を拾う状態を作り出し、アカデミー賞受賞映画やテレビ番組を製作する会社を一から構築した。今やアマゾンの競合相手は、宅配大手のUPSやフェデックスをはじめ、グーグル、フェイスブック、アップル、マイクロソフト、IBM、書籍出版業界、ネットフリックス、HBO、ディズニー、小売り大手のウォルマート、ターゲット、コストコ、クローガー、ドラッグストア大手のCVSヘルスやウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、そのほか無数の新興企業だ。
アマゾンの巨大さ、アマゾン自体にも問題
大きいことはいいことか? 数々の論争に巻き込まれる創造的破壊者
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