先進各国のeSports支援体制

 ここまで日本のゲーム市場の状況について解説してきました。ここからは、eSports先進国ではどのような形でeSportsが発展してきたのか、各国のパターンについて解説します。

(1)韓国のeSports

 韓国の場合は世界初のeSportsのプロリーグが立ち上がり、以降コンテンツ産業の一つとして成長してきました。もともと韓国のゲーム市場は、90年代中盤までは日本のコンソール系のゲームに人気があり、またゲームに対する一般的な印象も日本と同じような状況であったことから、他国に比べると日本と近い環境でした。しかし、90年代末からはオンラインPCゲームが流行し、MMORPGやRTSなどのゲームジャンルの人気が高まり、特に米国Blizzardの「スタークラフト」というRTSのゲームが大ヒットしました。

 そして、韓国でeSportsがコンテンツ産業として成長した大きな要因が3つあります。

 1つ目は「PCバン」と呼ばれるゲーム専用ネットカフェビジネスが誕生したことです。ピーク時は全国2万ヵ所以上のPCバンが24時間営業しており、誰もが気軽にゲームができる環境が整っていました。

 2つ目は、まだ国内にeSportsのプロリーグが誕生する前の2000年ごろから世界初のeSports専用チャンネル「On Game Net(OGN)」がケーブルテレビ上で開始されたことです。視聴コンテンツとして普及したことで、それまであまりゲームをしていなかった層を取り込むことに成功しました。

 3つ目は、国内eSportsプロリーグが発足されたことです。実力のあるプロ選手・プロチームが多数登場し、2004年釜山で行なわれたStarcraftプロリーグの決勝戦には10万人もの観客が集まり、それまでeSportsの分野に進出していなかった大手企業が協賛するきっかけになりました。

 こうした要因が韓国eSportsエコシステムの根幹になりました。また、スター選手が多数登場したことで、特にゲーム好きの学生層のロールモデルになりました。さらに、eSports選手引退後、プロチームの監督、大会解説者、ゲーム開発者などといったeSportsと直接関係する職業から、芸能人・プロポーカー選手などまでセカンドキャリアの道が広がりました。一方で2003年から「eSportsマネジメント人材育成」「グローバルとの連携」「eSportsプラットフォーム構築」に対して政府の支援が始まり、優秀な大学でeSports専門学科が開設され、eSports人材育成に向けたカリキュラムを提供する教育機関が増えました。その結果、グローバルの大会で、韓国籍の選手がトップの成績を数多く収めています。