この記事は、99%実話の物語(ストーリー)である『大富豪アニキの教え』の、【プロローグ】~【第4話】までを、全5回に分けて公開するものです。年収295万円、31歳ダメサラリーマンが、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキに出会い、【25の教え】をこうて、人生の大逆転をはかる。

【第1話】つながり・ご縁・絆

兄貴(丸尾孝俊)
1966年、大阪府生まれ。食べるものに困るほどの「極貧」時代を過ごす。
20代後半で、単身インドネシアのバリ島に渡り、無一文から事業を開始し、奇跡の大逆転。
バリ島での資産は圧倒的で、現地関連会社29社を所有し、現地人従業員は5300名を超え、自宅がなんと25軒、さらに東京ドーム170個分の土地を所有する世界レベルのウルトラ大富豪。その「資産」は、「ありすぎて試算できないレベル」。
地元の人々に、学校、病院、サッカー場などを寄付するだけでなく、52人の孤児の「里親」になるなど、今でも、困っている人には惜しみなく手を差し伸べている。 

 僕は、周りから、「人当たりがよい」と思われているようだけど、実は、そんなことはない。自分では「かなり人見知りするほう」だと思っている。
  よく知っている仲間同士では気軽に振る舞えるのに、見知らぬ人ばかりだと、大人しくなってしまう。ようは、「内弁慶」なのだ。

  このリビングにもたくさんの「見知らぬ人」がいて、みな楽しそうに会話をしているのだが、この人たちと、どう接したらいいのか、どうすれば仲間に入れるのか、実は、よくわからない。

 仕事上のつき合いで、パーティーやイベントに1人で参加することもある。だけど、なんだか居心地が悪く、パーティー会場の隅で、ぽつんと1人、取り残されることも……。

  社交辞令的な「名刺交換」は多少はするけれども、でも、だからといって、そこから交流が広がったり、深まったりすることはほとんどない。名刺がどんどん貯まっていくだけだ。たぶん僕は、「人と打ち解ける」のがヘタなんだ。人前で快活に振る舞うには、そして、人から気に入られて仲良しになるには、どうしたらいいのだろう?

 兄貴は、パンッパンッと、手を叩いてお手伝いさんを呼び、「コピ(コーヒー)・パナス(ホットで)」と伝えた。数分後、全員分のコーヒーが、どかどかと、運ばれてきた。
  おぉ、さすが、大富豪の家だ。こんなの映画でしか見たことないぞ!
  兄貴は、コピをグビグビと一気に飲み干すと、タバコに火をつけ、ぷわ~っと、天井に向けて、白い煙をはき出した。

「いっちゃん、なんでも遠慮せずに聞いてや」と兄貴は言うと、人懐こい笑顔で、ニッと笑った。

「あ、兄貴、では、質問してもいいでしょうか? 兄貴、僕は、初対面の人と、仲良くなるのがヘタなんです。初対面の人と打ち解けるコツがあったら、教えてください。兄貴はどうやって会話の糸口を見つけているのですか?」

  兄貴は、1秒ほど考えると、「余裕や」と言って話しはじめた。

「あのな、いっちゃん。『相手との共通点』を見つけるんやて。聞き上手って言葉があるやろ。たとえば、こう聞くねん。『昨日、なに食べたん?』とか、『あの映画、観た?』とか、『どっから来てんの?』とか、『うどん好き? いや、そばの方が好きだって? はぁぁ、そうなんや……』とか、そういうのや」
「ありますね、そういうの」

「せやろ。そしたら、そらもう、ボーボー質問して、『相手との共通点』を完全に見つけてかかれ。そしたら一個くらいは出てくるんやて。というよりは、出てくるまで必死のパッチでやるんやて、あきらめとる場合とちゃうで。相手との共通点が出てくるまで徹底的にバコーンといくんや」
「はい」
「そんでな、『一致団結』という言葉があるやろ。あれ、どういうことかとゆうたらな、つまり、自分と相手が『一致している点』があるから、団結できるわけで、それで『一致団結』になるんやて…せやろ。つまり、共通点、一致点を探してかかることが最も大切なんや」
  兄貴は、バフーと、白い煙を、口の周りにはき出すと、ニッと笑った。