18日に総選挙が実施されるオーストラリアでは、中国による干渉を巡る懸念が根強い中、結果を左右しかねない中国人移民の有権者の支持獲得に向けて、主要政党が微妙な手綱さばきを求められている。選挙の勝者にとっては、最大の貿易相手国であり、外交上最も困難な関係にある中国が、政策運営の上で最大の試金石として立ちはだかることになる。豪中関係は昨年以降、冷え込んでいる。オーストラリアは昨年、厳格なスパイ対策および海外干渉防止法を可決した。また安全保障上の懸念から、次世代通信規格「5G(第5世代)」インフラ整備網から華為技術(ファーウェイ)製品を排除することを決定。今年2月には、豪当局者が「主要な国家主体」が議会や主要政党へのサイバー攻撃を仕掛けたとして批判した。「主要な国家主体」とは、暗に中国当局を示唆する用語として使用されることが多い。