ITのプライバシー懸念:次の前線は飛行機かPhoto:PIXTA

 乗客はランプの色で機内上部の荷物入れの空き状況が分かる。背もたれが元の位置に戻されていない座席や、乗客がシートベルトを着用していない座席があれば、センサーが客室乗務員にこっそり伝える。航空会社は乗客が機内で何時間眠り、どれくらい座席を離れ、何を視聴し、何を食べているかを把握する――。

 飛行機の客室のスマート化が始まろうとしている。利便性をもたらすテクノロジーに乗客の期待は高まるが、同時に航空会社は乗客の習慣に関する情報を手に入れることになるため、プライバシー懸念も高まっている。こうしたテクノロジーが利用できるようになるのは早くて約2年後だ。

 先ごろドイツ・ハンブルクで開催された航空機内装展示会では、エアバスやボーイングに加えて、座席や上部の荷物入れ、機内エンターテインメントシステム、カプチーノカートのメーカーが乗客の好みに合わせたサービスを提供するための新たな方法を航空会社にアピールした。親しみの持てるサービスを提供することは航空会社にとって重要なテーマの一つだ。

 そのうち機内に足を踏み入れると、スクリーンに乗客の名前と歓迎の言葉が表示される日が来るかもしれない。座席に座ると、エンターテインメントシステムの画面に名前が表示される。システムには座り方や照明、気温、香り、景色の好みが登録されている。前の便でどの映画をどこまで見たかも登録されているかもしれない。好みの飲み物が用意されていてもおかしくない。座席内蔵のセンサーが乗客の体温を測定して、温度や空気の流れを調整するなどということもありそうだ。

 エアバスの客室・貨物担当シニア・バイスプレジデント、ソーレン・ショルツ氏は「乗客は一部のデータについてはシェアすることにかなりオープンであることが分かった」と話す。