乗客はランプの色で機内上部の荷物入れの空き状況が分かる。背もたれが元の位置に戻されていない座席や、乗客がシートベルトを着用していない座席があれば、センサーが客室乗務員にこっそり伝える。航空会社は乗客が機内で何時間眠り、どれくらい座席を離れ、何を視聴し、何を食べているかを把握する――。飛行機の客室のスマート化が始まろうとしている。利便性をもたらすテクノロジーに乗客の期待は高まるが、同時に航空会社は乗客の習慣に関する情報を手に入れることになるため、プライバシー懸念も高まっている。こうしたテクノロジーが利用できるようになるのは早くて約2年後だ。先ごろドイツ・ハンブルクで開催された航空機内装展示会では、エアバスやボーイングに加えて、座席や上部の荷物入れ、機内エンターテインメントシステム、カプチーノカートのメーカーが乗客の好みに合わせたサービスを提供するための新たな方法を航空会社にアピールした。親しみの持てるサービスを提供することは航空会社にとって重要なテーマの一つだ。
ITのプライバシー懸念:次の前線は飛行機か
新テクノロジーの導入で利便性とデータの機密保護のバランスが懸念されている
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