中国、中南米での野心に狂い マドゥロ氏拘束でPhoto:Pool/gettyimages

 中国政府は20年にわたり、中南米諸国と緊密な関係を築いてきた。だが米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を排除したことで、習近平国家主席にとって西半球の情勢が一変している。

 習氏の特使は2日午後、ベネズエラの大統領宮殿を訪れてマドゥロ氏と談笑。マドゥロ氏が中国語の単語をいくつか話そうとする場面もあった。その数時間後、米特殊部隊は150機の軍用機を伴ってベネズエラの首都カラカスを攻撃し、マドゥロ氏を拘束した。

 習氏はベネズエラとの「全天候型戦略的パートナーシップ」を掲げているが、中国の特使とマドゥロ氏がいつも通りの雰囲気の中で会っていたことは、その後に何が起きるか中国政府が把握していなかったことを示唆している。

 中国外務省は米国の今回の行動に対する初の公式な声明で、「中国は主権国家に対する米国の露骨な武力行使と、その大統領への攻撃に深い衝撃を受けており、これを強く非難する」とした。

 外務省のこの表現は、制御不能な状況に対する中国側の驚きを浮き彫りにしている。独ハンブルク大学の平和研究・安全保障政策研究所の研究員、サビーヌ・モクリー氏は、外務省が「深い衝撃」を受けたという表現を使用するのは、テロ攻撃への対応で見られるものであり、過去10年ではほとんど使われていないと指摘。「この強い表現は、同じ権威主義体制への支持の表れと解釈される可能性がある」と述べた。

 習氏は米国の力が衰退しているとし、「100年に1度の変化が加速している」と訴えてきた。だが米政府が長年の敵対者を効率的に排除したことは、この考えに打撃を加えるものとなる。