昨年10月の寒い夜、パリ郊外のコンベンションセンターの外では約35万人が訪れる年に一度のビデオゲーム見本市「パリゲームウィーク」の開幕を前にボランティアが慌ただしく準備していた。  ドアが開くと群衆が前方へと押し寄せた。ほぼ全員が30歳未満で、ぴったりした黒のジーンズにコンバースのスニーカー、ポップカルチャー風Tシャツという独特のいでたちだ。ステージ上では司会者が来場客のお目当てである「シルバー・スナイパーズ」が間もなく到着すると告げた。歓声と雄たけびが響き渡り、ラウドスピーカーから流れるポップ音楽をかき消した。  近くでは白髪交じりの男女が円陣を組んでいた。