世界経済の減速や通商摩擦を巡る懸念がここ数日、金融市場の重しとなっているが、欧州の投資家にはこれに加え、さらなる心配の種がある。政治リスクだ。  欧州議会選で反エスタブリッシュメント(既得権層)政党の躍進が予想されることや、テリーザ・メイ英首相の辞意表明を受け、ユーロとポンドは対ドルで急落。24日の取引でユーロは一時1.11ドルと、2017年6月以来の安値に迫った。  ユーロ圏の「結束度」を示す目安とされるドイツ・イタリア10年物国債の利回り格差は、24日時点で2.67ポイントと、年初来で最もワイドな水準からそう遠くないところにある。