深刻さ増す
韓国の国際社会での孤立

 今後、極東および国際社会の中で、韓国は一段と孤立する恐れがある。それは、極東地域の安定に大きく影響する。

 現在、韓国では文大統領への弾劾請求に加え、前政権の与党であった自由韓国党の解散を求める請願も出された。その請願者数は180万人を超えた。この先、韓国の政治がどのように社会を安定させ国力を高めることができるか、予想することが難しい。

 文大統領は支持率を少しでも確保するために、財政出動をさらに重視するだろう。それは、一時的に成長率を押し上げ、世論の不満をなだめることにはなるだろう。ただ、過度な財政出動は長く続けられる政策ではない。中国の景況感が悪化する中で、韓国が財閥企業の経営改革に着手することも難しい。

 この状況が続くと、韓国経済は長期停滞に陥る恐れがある。その懸念から、韓国ウォンが大幅に売られている。4月から5月下旬までの期間で見ると、韓国ウォンは米ドルに対して4%超下落した。この下落率は、米国との通商摩擦の激化懸念と景気減速懸念を受けた人民元の下落率(約2.8%)を大幅に上回り、アジア通貨の中でも断トツだ。資金の流出が続けば、韓国の経済界は日韓スワップ協定の再開を求めるだろう。

韓国の政治と経済は、一段と不安定になる可能性が高い。世論はさらに政治を批判するだろう。極東情勢の緊迫感が高まることも想定される。

 わが国は、そうした変化を念頭に対策を練るべきだ。政府は、安全保障面では米国との関係を基礎としつつ、国際世論を味方につけなければならない。日本の主張に賛同する国が増えれば、政府は韓国に対して冷静に日韓請求権協定を守るよう伝え、しかるべき対応を求めることができる。それまでわが国が韓国をまともに相手にする必要はないだろう。

 何よりも重要なことは、わが国が国内での改革を進めつつ、アジア新興国などとの関係を強化して多国間の経済連携を目指すことだ。わが国の主張に賛同する国際世論を形成することが、長期の目線で国力を高めるために欠かせない

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)