>>(上)より続く

稼げる美人妻を持つ夫
心が向かう2つの方向

 Eさん(37歳男性)は年上の、シャキッとした美人女性と結婚した。Eさんはかなり仕事ができる営業マンだったが、妻はバリバリ仕事ができる外資の金融系勤めで、年収はEさんの軽く5倍以上あった。

 Eさんは野心家であり、調子のいい時期にはたまにトップセールスとして表彰されていたから、「営業マンとしてさらに高みを目指す」ことを常に胸に抱いていた。しかし妻と出会って、畑が違うとはいえ収入の面で差を見せつけられた。

 姉さん女房の宿命か、Eさんは食生活から小遣いに至るまでを妻に注意・監視されるようになった。口では「別にいいじゃないか」と妻に反抗しながら渋々従うのがEさんの常となり、負けず嫌いの彼は「いつか妻を見返してやろう」と夢見るようになった。

「お互いに勤めている会社の平均年収が違うので、『年収で負けているのは悔しいがそこは純粋に比べられるところではないのではないか』と思うようになりました。

 要は自分が自他ともに誇らしい営業マンになることができればいいわけで、しかるべき成果を出せば妻も僕のことを尊敬するだろうと。妻は自分にとってモチベーションを見失わせないようにしてくれるありがたい存在でもあります」(Eさん)

 では、妻が美人なことについてはどうか。

「特に意識することはありませんね。こんな僕とくっついてくれてありがたい、くらいです(笑)」

 Eさんの意識は妻が美人な点にいく余裕がないくらい、「誇り高き己であるために」という方面に向いているらしかった。