実際まわりからも「送るだけ送ればいいのに…」という声も上がっていた。しかし、その意見をかたくなに拒否していた。

 その時は《融通が利かず、なんてガンコなんだ》と思ったりもした。チャンスをみすみす見逃すように見えるその行為。誰が見てももったいない考えである。

 しかし、先輩はそうは考えていなかった。

「確固たる信念」が
自分にあるからこそできる

 真剣なお客様は、どんなに忙しくても見積書の説明を聞くための時間は取るもの。時間を取ってくれない時点で見切っていたのだ。

トップ営業マンは腰が低くても「ガンコな人」が多い理由「超一流の営業マンが見えないところで続けている50の習慣」(青春出版社刊)、菊原智明著、224ページ、1512円(税込み)

 これは自分のことだけ考えていたのではなく、その他の部署のスタッフのためでもある。急きょ見積もりを出すことになれば、当然他のスタッフの仕事量を増やすことになる。残業だってさせなくてはならなくなる。そういったことも踏まえた上でお客様の依頼を断っていたのだ。

 そういった「無駄な仕事」を省くことでいいお客様に時間と労力を注ぎ込むことができる。だからこそ、常にいい成績を残せていたのだ。

 トップ営業マンは、総じて人当たりはいいが結構ガンコである。これは多くのトップ営業マンたちと付き合ってきたので間違いない。自分の「確固たる信念」があるからこそ、できることなのだろう。

 誰に言われても揺るがない自信――。あなたにもそういったガンコさがあるだろうか?