トップ営業マンがお客様を絶対に「説得しない」理由

営業マンになったあなたは「売りたい」と気持ちが強いあまり、必死にお客様を引き止め、説得しようと思えば思うほど逆効果で逃げられてしまう…という経験がないだろうか。筆者がハウスメーカーのダメ営業マンだった頃は、そのような失敗を繰り返していた。トップ営業マンは、意外な話法と接客で、お客様からの信頼を得て好成績を出しているのだ。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

「売ろう」と必死に粘れば
客は逃げる

 たった一言で警戒心が解け、一気に距離が縮まる。もしくは、ちょっとした一言で《この人ならば信用できる》と初対面の人に心を許してしまった。そんな経験をしたことがないだろうか?

 その逆に、店員の売らんがための激しいセールストークに辟易し、《騙されないように注意しよう》と身構えた。なんて経験もあるかもしれない。

 実は、私はこれでよく失敗していた。

 ハウスメーカーのダメ営業マンだった頃のこと。人見知りの私は、特に初対面のお客様との接客を大の苦手としていた。雑談などで打ち解けられればいいだが、それがなかなかうまく行かない。間が持たず、すぐに「まずはこちらをご覧ください。こちらは当社が一番力を入れている構造でして、スーパー○○構造と呼んでおります」といった説明を始めてしまう。

 すると、すぐにお客様の顔色はみるみる曇りだす。それもそのはずだ。《夢のマイホームを見学しよう》と来店してきたお客様に“スーパー○○構造の説明”では引くのも当たり前である。