ドナルド・トランプ米大統領が3日に英国のエリザベス女王と出席したバッキンガム宮殿の晩さん会は実に華やかだったが、女王陛下の通貨は大統領にメッセージを送っている。欧州との交渉に関するトランプ氏のアドバイスは、英ポンドの投資家にとって全く歓迎できないものだと。ポンド投資家はすでに、英議会の政治的な混乱のために英国が欧州との対立に向かうのではないかと懸念を強めていた。トランプ氏は前週末、まさにこうした対決姿勢を取るよう提唱した。だがトランプ氏の期待とは裏腹に、ポンド相場は10月末のハロウィーンの時期に当たる英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の期限を巡り、深刻な懸念を織り込んでいる。ポンドは先月、テリーザ・メイ首相の辞任表明を前にユーロに対して11日連続で下落し、連続安の最長記録に並んだ。これほど長期にわたってポンドが下げ続けたのは、英国内の銀行で約1世紀ぶりの取り付け騒ぎが起きた2007年9月以来だ。
トランプ氏のブレグジット戦略、ポンド相場に大迷惑
混迷の度を深める英国の「ハロウィーン離脱」巡る状況
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