就寝時のいびき音で悩む男性は多いが、自身だけでなく、家族やパートナーのいびきに迷惑している人も、なんとなく諦めているパターンがほとんどだろう。しかし、いびきはほうっておくことで大きな病気に発展する可能性を秘めているという。いびきに潜む「怖い病気」について、いびき治療を得意とする銀座コレージュ耳鼻咽喉科の都筑俊寛先生に話を聞いた。(清談社 ジョージ山田)
スター・ウォーズのレイア姫の死因にも
発生のメカニズムは口蓋垂の振動
2016年12月、映画『スター・ウォーズ』シリーズでヒロインのレイア姫を演じたキャリー・フィッシャーさんが60歳で亡くなった。飛行機の中で心臓発作を起こし、病院で息を引き取ったという。フィッシャーさんの死因については諸説あるが、ロサンゼルス郡検視局の正式発表は「睡眠時無呼吸症候群が死因のひとつ」というものだった。
「睡眠時無呼吸症候群」とは就寝時にいびきをかく人が発症する病で、いびきとともに呼吸が何度も止まる症状のこと。このように、いびきは放っておくと深刻な事態に陥る可能性があるのだ。
そもそも就寝時にいびきをかく人と、かかない人の違いはどこにあるのだろうか。
「いびき音は、のどちんことも呼ばれる口蓋垂と、その周囲が振動することで発生します。口蓋垂の大きさには個人差があり、一般的に口蓋垂が長い人はいびきをかきやすいことがわかっています。肥満気味の人は気道が狭いために口蓋垂が振動しやすく、いびきをかきやすくなりますが、口蓋垂の形は体質なのでやせ形の女性でもいびきをかくことは往々にしてあります」
そう説明するのは、銀座コレージュ耳鼻咽喉科の都筑先生だ。
ホースで想像してもらえればわかりやすいが、細いホースを通過する水は勢いが増すのと同様に、狭い気道を通過する呼吸のスピードは自然と上がり、ゆえに口蓋垂が振動しやすくなり、いびきが発生するのだという。また同様のメカニズムで適正な高さの枕を使っていないこともいびきの原因になる。