クラウド事業で遅れを挽回するには多額の費用が掛かるが、米アルファベット傘下のグーグルは世界でも最大級の手元資金を持ち、それを使う大義名分もある。グーグルは6日、非上場企業の米ルッカーを現金26億ドル(約2800億円)で買収すると発表した。ルッカーはクラウドベースのデータ分析ソフトウエアを手掛ける。グーグルにとっては過去4番目の大型買収で、グーグル・クラウド・プラットフォーム(GCP)事業の強化という明確な目的での買収としては最大規模となる。買収手続きは年内に完了する見通しだ。ルッカー買収はまた、グーグル・クラウドにトーマス・クリアン最高経営責任者(CEO)が昨年就任して以降で初の本格的な一手でもある。クリアン氏は企業向けソフトウエア大手の米オラクルから移籍してきた。オラクルは同氏が社長を務めた4年弱で19件のM&A(企業買収・合併)を実施したほど買収活動に積極的だ。つまり、同氏は買収戦略を熟知している。
グーグルのクラウド企業買収、まだ序の口
ルッカーだけでは買収意欲は満たされそうにない
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