視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。
チョコレートをたくさん食べると
ノーベル賞受賞者が増える!?
いきなり個人の好みの話で恐縮だが、私はチョコレートが大好きだ。
自宅で原稿を書く時など、机の上に置いたチョコレートを、ついついつまんでしまう。たくさん買っておいたはずのチョコレートが、いつの間にかなくなっていたことも、しょっちゅうだ。
食べすぎが体に良くないのは、わかっている。わかってはいるけれど、やめられない。
ところが、チョコレートは「頭」には良いかもしれないのだ。「チョコレートをたくさん食べるほど、ノーベル賞受賞者が増える」という研究があるのをご存じだろうか。
正確には「国民が1人あたり年間400g多くチョコレートを摂取すると、その国の1000万人あたりのノーベル賞受賞者の数が1人増える」。2012年、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』という権威ある医学雑誌に、そのエビデンスとなるデータが発表されている。
それによると、チョコレートの平均摂取量が多い国ほど、ノーベル賞受賞者も多くなっている。日本はチョコレートの摂取量も、ノーベル賞受賞者も比較的少ない。
ということは、私が原稿を書きながらせっせとチョコをつまんでいるのも、日本のノーベル賞受賞者を増やす上で意味のある行為なのだ――いやいや、そんなバカな。もちろん、いくら私がチョコレートを食べたところで、それがノーベル賞受賞者を増やす要因になるわけがない。
しかし、医学専門誌に載るくらいだから、まったくのデタラメでもないのだろう。