本当の支出は予算の2.5倍!?
貯蓄が増えない「ザル家計」の実態

 29歳の若さにもかかわらず、年収が約1200万円もあるSさん。支出の予算も設定し、家計簿もつけているそうですが、ボーナス以外の月はよくて数万円の黒字で、なかなか貯蓄が増えないとのこと。

 年収1200万円程度ということは、Sさんの年間手取り額は少なくとも900万円前後あるはずです。月間の支出は40万円と記載があることから、年間で480万円の支出になり、手取り額との差額420万円が毎年貯蓄されていてもおかしくはないでしょう。もし使途不明金が若干あったとしても、記載の通りであれば、年間350万~400万円は貯蓄できるはずです。

 そんななかで気になるのが、月間の支出は40万円との記載がある一方、予算の内訳を合計した金額は27万7000円であること(通信費なども予算に含まれていません)。月間の支出は予算より12万3000円も多いだけではなく、ボーナス月以外の月間収支は「数万円の黒字かトントン」と記載があることから、本当の月間支出はもっと膨れ上がっている可能性があります。

 ボーナス月でも十分に貯蓄ができていないとすれば、最大で年間の手取り額を12ヵ月平均でならした70万~75万円(900万円÷12ヵ月)、予算の2.5倍も支出してしまっている怖れさえあるのです。

 酷な言い方になりますが、この差額から見えてくるのは、家計簿をつけているといいつつも、本当の支出を記載できていない「ザル家計簿」に過ぎない実態です。

 推測ですが、Sさんは家計簿を気が向いた時だけつけている気がしてなりません。また奨学金の返済は仕方ありませんが、ショッピングローンの返済も固定費として記載されている点が気になります。金利負担を考えるならば、奨学金もローンも今すぐ一括で返済すべきです。

 奨学金とローンの残額の記載はありませんが、貯蓄が700万円程度ありますから、ここから返済できるはずです。もしここで捻出してしまっても、これから貯蓄を頑張れば、一括返済した金額は短期間でリカバリーできるでしょう。

 Sさんのご相談にはそこかしこに「ズボラ家計」「ザル家計」の片鱗が見られます。このままではいけないと考え、今回ご相談されたのだと思います。少々きつい言い方になりましたが、本当に貯蓄を増やしたいならば、今日から心を入れ替えなければなりません。ひとまず、予算作りから根本的に見直しましょう。