かつ、ここで大事なのは、これが補助金の給付の場合なら、補助金をもらえる合格者は限られているのに対して、規制改革が行われた場合、そのメリットは不特定多数の新規参入者が享受できるということです。したがって、規制改革を最初に要望した者にWGメンバーが助言することは、特定の者を優遇することにはなり得ません。

 このように考えると、特区ビズ社とコンサル契約をしている会社にWGで原氏が助言したことを問題視する毎日新聞の記事は、明らかに的外れです。それにもかかわらず、それを1面トップで連日にわたって報道するというのは、原氏の疑惑を決定づけたいためにやっているとしか思えません。

非公開を隠蔽と決めつけての
弱者イジメに加担する野党

 しかし、第1点目以上に許しがたいのは、第2点目に関する毎日新聞の主張です。「WGが特区ビズ社とコンサル契約をしている会社から行なったヒアリングを隠蔽していたのは問題だ」「原氏がその会社といかがわしい関係にあるので隠蔽したのではないか」と言いますが、こうした主張は規制改革の現実を無視しているのみならず、規制改革の要望を行った者を危険に晒しかねないのです。

 規制改革を提案する者の立場に立って考えてみれば、すぐわかることですが、民間企業や地方自治体が政府に規制改革の提案をすることは、非常に大きなリスクを伴う勇気が必要な行為です。というのは、規制改革を提案しているとわかったら、その規制の存在によって利益を享受している既得権益層の恨みを買い、手ひどい報復やイジメを受けることになりかねないからです。実際私は、規制改革を提案したために、ひどい恫喝や報復を受けた企業や自治体をいくつも知っています。

 したがって、WGに規制改革を要望した者が、そのリスクを恐れて会議の非公開を希望した場合、または希望がなくてもリスクが生じる蓋然性が高いと考えられる場合は、WGの会議の内容を非公開とするのは当然です。

 それは、企業の内部通報制度で、内部通報に関する秘密保持を徹底する(通報者の氏名を秘密にする、通報があったことも秘密とする、経営陣から独立した通報窓口を設置するなど)のが当然であるのとまったく同じです。ついでに言えば、マスメディアが記事を書く際の情報源を秘匿するも同じです。現実を考えると、規制改革のプロセスでも弱者保護は不可欠なのです。