米トランプ政権は、巨大IT(情報技術)企業への監視を強めており、幾つかの州は携帯通信分野の3位と4位の企業の合併阻止に動いている。こうした状況を見て、産業界の寡占化に逆風が吹いていると考える人もいるかもしれない。もしそうなら、考え直した方がいいだろう。IT大手や大規模な合併・統合の話が見出しを飾っているが、独占に関する真の問題は水面下で進んでいる。反トラスト(独占禁止)当局の注意を引くには小さすぎる合併・統合によって、多くの業界や地域で競争が阻害され、企業の集中化が進んでいる状況がしばしば見られる。アルファベット傘下のグーグルやアップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの行動は広く報じられ、批判されてもいるが、隠れた寡占化はこれらの大手以上ではないとしても、同じくらい有害かもしれない。
競争を阻害する「見えない」寡占化
IT大手の動向は注目を集めるが真の問題は水面下にある
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