――筆者のA・G・サルツバーガー氏は米紙ニューヨーク・タイムズの発行人 ***  最初は「落ち目のニューヨーク・タイムズ」だった。次に「フェイクニュース」、さらには「国民の敵」とエスカレートしてきた。ドナルド・トランプ米大統領のタイムズに対する非難は、より広範な米国メディアに対する集中砲火と平行して行われてきた。大統領の発言は、われわれの仕事をゆがめて伝えることから、われわれの品位を攻撃することへ、そして古くから扇動家が利用してきた表現でわれわれのジャーナリストを悪者扱いすることへ移ってきた。