金相場が市場を先導している。安全資産とも言われるこの資産は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げをいとわない姿勢を示唆したことを受け、約6年ぶりの高値をつけた。金利の低下が続けば、金相場の一段高に期待がかかる。だが今回の動きは幾つかの悪い知らせを予想させる。金相場は、インフレと連動したり世界の金融ストレスに反応したりして上昇してきた。しかし、最近は中央銀行が発するシグナルが材料に見える。このことは、さえないパフォーマンスが長らく続いていた金相場がなぜ過去1カ月で約9%上昇したのかを説明するのに役立つ。しかも、この間には株価も上昇している。FRBが19日にハト派的なシグナルを発すると、翌日には10年物米国債の利回りがこの数年で最低の2%未満に低下し、金相場は約3.5%上昇した。