現職ドナルド・トランプ大統領への挑戦権獲得を目指す民主党の候補者選び。異例の乱立状態となるなか、誰が混戦から抜け出すか、または落ちこぼれるかの分かれ目はこの夏に訪れそうだ。大統領選出馬を表明した24人の民主党候補のうち、今週のテレビ討論には20人が参加する予定。しかし現段階で、米国民の関心は5人に絞られている。オバマ前政権で副大統領を2期務め、デラウェア州選出の上院議員を6期務めたジョー・バイデン氏は自身の政治経験を武器に、世論調査で他の候補を引き離してトップに立っている。しかし、このところは、公費による妊娠中絶支援をめぐる方針転換、差別主義的な上院議員らと協力した過去を懐かしむ姿勢などが、長い議員生活の産物として関心を集めている。こうした状況は他の候補者にとって、バイデン氏との対立軸を示すチャンスを与えるものだ。