年金の手取り収入は「額面の年金収入-(所得税+住民税+国民健康保険料+介護保険料」で求める。図(1)の試算では、額面年金収入を公的年金200万円、退職金の年金受取り100万円、合計300万円という前提条件にしている。

 額面収入300万円の年金の手取り額は、1999年には290万円であったが、2019年は254万円になる。なんと、20年間で36万円もの減少だ(妻が基礎年金のみの専業主婦で東京23区在住のケース)。

 FPとして駆け出しの90年代後半に、高齢者向けセミナーで「年金の手取り額試算」をレクチャーしたことがあった。その頃の資料をもとに現在と比較している。

「1999年」を基準年としているのには理由がある。2000年に公的介護保険が導入されたので、1999年は介護保険料が発生する直前の年。介護保険料の負担により手取り額はどのくらい減るのだろうと思い、1999年の試算を大事にとっておいた。

 ところがその後、予想していなかった高齢者向けの制度改正が次々と実施され、年金の手取りは毎年のように減り続けることになった。

年金の手取りを激減させた
「増税」「社会保険料」アップの変遷

 2000年以降、年金の手取りを減少させた制度改正は次のようなものである。

【主な増税】
2004年:配偶者特別控除の一部廃止(この前年まで専業主婦を持つ夫は38万円+38万円の控除を受けることができたが、配偶者控除の38万円のみになった)
2005年:65歳以上の老年者控除(50万円)の廃止、65歳以上の公的年金等控除額(年金の非課税枠)の縮小
2006・2007年:定率減税の縮小&廃止

【社会保険料負担アップ】
2000年:公的介護保険の導入による保険料発生
2008年:後期高齢者医療制度導入による保険料発生
その他、国民健康保険料と介護保険料は毎年のようにアップしている