欧州諸国は今週、イランとの経済的つながりを維持するための取り組みを拡大する。貿易取引支援機関に信用枠を供給し、イランとの貿易ルート確保を後押しするという。複数の当局者が明らかにした。欧州諸国は、イランが2015年の核合意に基づく義務履行を徐々に停止する構えを見せ、米政府からイランに最大限の経済圧力を掛けるよう迫られている中でも、こうした措置に踏み切ろうとしている。米国とイランの緊張関係が軍事衝突に発展する懸念があるなか、欧州と米国が対イラン政策で足並みの乱れを露呈した格好だ。欧州諸国は、ドナルド・トランプ米大統領が2018年5月に離脱を表明したイラン核合意を一貫して支持している。米国は離脱以降、イランに対して厳しい経済制裁を科し、イラン経済を深刻な不況に陥れている。一方で欧州諸国は米制裁による打撃を和らげようと努力しているが、成果はほとんど上がっていない。