成功を収めた経営者たちは、判断の軸を持っています。一般社団法人新経済連盟が主催する「KANSAI SUMMIT 2016」において、楽天株式会社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏、株式会社サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏が、それぞれ明確な判断基準を持っていることを明かしています。藤田氏は、その基準に基づいて、大事な決断も、息をするように「一瞬で決めている」そうです。

 慎重派な私は、「時間をかけずに失敗しない方法はないか」と、考えてきました。その結果、5つの項目からなるチェックリストを使って、「Go」or「No-Go」、つまり、「やるか」「やらないか」を判断する方法にたどり着きました。

 ここで大切になるのが、チェックリストの項目である「判断基準」です。

 基準がしっかりしていないと判断が遅くなるため、時間がかかってしまいますし、周囲に流されやすくなるというデメリットもあります。

 基準がきちんと確立されていれば、判断も早く間違えにくくなります。

 私は、次のような5項目チェックリストを用いています。

(1)損か得か
(2)続けられるか続けられないか
(3)好きか嫌いか
(4)合うか合わないか
(5)既知か未知か

 5つのうち、「○」が3つ以上なら「Go」、「○」が2つ以下なら「No-Go」と決めています。「○」の数が多いほど、「Go」の妥当性は高くなります。

 最後の項目は、人によって判断が分かれるかもしれませんが、私は自分がまだ知らないものに挑戦するほうがポジティブだと考え、そちらを選ぶようにしています。

 既知のものはいわば「出がらし」なわけで、未知のものを選択するほうが、その後の広がりを期待でき、得られるものは多いと考えます。

 例外として、「確実に成功させる必要がある」という条件付きのケースでは、既知のものを選びます。