8ヵ月の長きにわたって繰り広げられたLIXILグループの経営権を巡る大騒動が、ついに終結した。株主の支持をより多く獲得し、勝利したのは、前最高経営責任者(CEO)の瀬戸欣哉氏率いる株主提案だ。今後は同氏の下、是々非々の経営が行われることになる。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
「株主提案が通ったんですよ! これまでいろんな株主総会に出席してきたけど、こんなことは初めて」
会場から出てきた株主が興奮気味に語ったように、経営権を巡って繰り広げられていたLIXILグループの前代未聞の大騒動は、終わり方まで異例だった。
LIXILグループはこの8ヵ月、まさに異常事態に陥っていた。
昨秋、社長兼CEOだった瀬戸欣哉氏が期の途中で突如、CEO職を退任した。後にこれが、LIXILの前身の一社であるトステム創業家出身の潮田洋一郎氏が画策した強引な解任だったと判明。トステムに並ぶ前身企業であるINAX創業家(伊奈家)が瀬戸氏に付いて新体制に待ったをかけるなど、取締役を二分する騒動に発展していたのだ。
結局、最後は会社側と瀬戸氏率いる株主側が、株主総会の議案として取締役候補をそれぞれ提案。勝敗は“投票権”のある株主の手に委ねられることとなった。
そして、運命の6月25日、株主総会当日――。