ウォシュレットをはじめとした日本の「トイレ」技術は、世界に誇れる“ジャパンブランド”の一つだ。日本にはTOTOとLIXILという二大衛生陶器メーカーがあり、ともに世界市場で一定の地位を確立している。だが、両者の海外展開の仕方には違いがあるようだ。トイレ専門企画会社・アントイレプランナーの白倉正子氏に話を聞いた。(清談社 角南丈)
新技術が続々登場!
日本のトイレは世界最先端
中国人観光客による温水洗浄便座の爆買いのニュースから3年がたったが、今も変わらず日本のトイレ技術は世界最先端といえる。例えば、現在はスマホで空き状況が確認できたり、便から病気を発見できる機能まで開発されているほどだ。
「日本に来ている外国人にとっては、快適な温水洗浄便座、自動で開閉する便座、擬音機(「音姫」等の名称で親しまれる、排泄音を隠す機能や製品)、補充用が常に備蓄されているトイレットペーパー、公共・商業施設で清潔にメンテナンスされたトイレ空間など、日本人なら当たり前のことが感動ポイントだったりするようです。そういった“総合点”でみれば、日本のトイレ文化は世界で最も進んでいるといえます」(白倉氏、以下同)
世界シェアで見てもLIXIL、TOTOの順で五指に入るほどだ。
TOTOは現在、日本国内のトイレ市場では6割のシェアを持ち、2017年度の売上高は5923億円。世界18ヵ国に32の生産・販売拠点を拡大している。
一方のLIXILは、日本国内のシェアは3割だが、グループ全体での2017年度の売上高は1兆6648億円。世界15ヵ国以上の国・地域に生産拠点を持ち、150ヵ国以上で同社製品が販売されている。
しかし、この両社の海外展開の仕方には、大きな違いがある。