自分の価値は何なのか。結局、考えてはいけない方向に、どんどん負のスパイラル化していくのだという。

 病院へ行くと、「ストレス反応性抑うつ状態」と診断された。

 最近、騒がれるようになった「新型うつ」とレッテル貼りされる人たちの出現と、その社会的背景は同じなのだろう。社会の仕組みそのものが時代に合わなくなっているいま、希望を持ち続けるほうが難しい。

「会社の組織になじめない」というのは、社会から離脱していく人たちが共有する思いだ。

「普通の人は、会社にポンと入っても慣れることができる。僕みたいに社会適応が育っていない状況の人だと、ポンと入れられても、拒絶反応が先に来て、心身を崩してしまうことがあるのではないか」

 Aさんは数年前、ネットで「場面緘黙症」の記述を見て、自分が学生のときの症状と重なり、同じような人たちが数多くいることを知り、なるほどと納得。当事者や家族らが集まる「かんもくの会」に入会した。

 緘黙の期間が長いと、それだけ社会との段差も高くなる。

「30歳を過ぎると、就職先がない。日本には、眠っている人たちが、たくさんいる」というAさん。いまも自分の働ける場所がどこにあるのか、探し続けている。

 5月20日に長野県上田市の長野大学で開かれた緘黙症の集会には、全国から当事者や家族、支援者、教師ら50人余りが集まった。

 次回集会は、7月14日(日)午後1時から、同じ長野大学で開かれる。

「信州かんもくサポートネットワーク」主催。
問い合わせ:0268-39-0081(長野大学社会福祉学部・高木講師)