欧州内での影響力争いで、アンゲラ・メルケル独首相は、エマニュエル・マクロン仏大統領に押されつつある。メルケル氏の有力なライバルとして、マクロン氏の存在感が高まりつつある。欧州連合(EU)各機関のトップ人事を決める話し合いはマラソン協議となったが、最終的にはメルケル氏がマクロン氏に屈服する形となった。これは、メルケル氏の影響力低下を示すこれまでで最も明確な兆候だ。メルケル氏は欧州で最も在任期間が長い首脳の1人だ。同氏が最初に首相に就任したとき、米国の大統領はジョージ・W・ブッシュ氏だった。誰もが認める欧州大陸のリーダーとしてメルケル氏は尊敬され、そして攻撃もされてきた。しかし、昨年の選挙敗北を受けてキリスト教民主同盟(CDU)の党首の座を降り、2021年の任期満了で首相の座を退くことを明らかにしているメルケル氏は今週、EUの協議でつまずいた。国際舞台での影響力低下が露呈した格好だ。
メルケル氏の影響力低下、EU人事で浮き彫り
入れ替わるように存在感を高めるマクロン仏大統領
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