最近では珍しくもない出来事だが、ドナルド・トランプ米大統領が英国の駐米大使といざこざを起こし、大使が辞任した。結局誰も得をしていない。トランプ氏が米政権を率い、英国が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を目指すこのご時世では、すべてがこのような経過をたどらざるを得ないのだろうか。  渦中のキム・ダロック大使は10日辞任した。トランプ氏に関する厳しい評価を英政府に報告した外交公電が漏えいした後のことだ。その多くは米国のケーブルテレビが伝える反トランプ的分析によく似た内容だ。2017年に送った公電ではトランプ政権が機能不全に陥り、無能だと述べていた。