【ソウル】日本が韓国向け半導体材料の輸出規制を強化したことは、韓国半導体メーカーにとって痛恨の一撃となるはずだった。だがそれから1週間経った今、サムスン電子とSKハイニックスがつかの間の勝利を味わっているようだ。
世界の半導体市場シェアの約6割を占めるサムスンとSKハイニックスは、輸出規制を受けて株価が上昇し、半導体価格も値上がりしている。
歴史問題で韓国政府と対立している日本は先週、日本製の半導体材料が北朝鮮に流れ、大量破壊兵器の製造に転用されるのを韓国企業が容認しているとして、輸出規制を強化した。
韓国は日本の主張を否定しながら、その影響を見極めようとしている。10日には約30社のトップが大統領府に集められたほか、サムスンの実質的なトップとなっている李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が来日した。サムスンは副会長が日本へ向かった理由を明らかにしていない。
一方、市場は輸出規制に前向きな反応を示している。投資家はこの規制によって、両社の半導体生産が抑えられ、世界的な家電製品の販売減速や米中貿易摩擦を背景とする供給過剰が緩和されると期待している。