香港では中国の影響力拡大に反発する抗議運動が続いている。米スポーツ用品大手ナイキから地元ベーカリーまで幅広いビジネスが、どちらかを支持したり、あるいはそう見えるだけで人気が急上昇するかと思えば、逆に怒りの反応にも見舞われている。ここ数週間、香港の政治問題に巻き込まれた企業はマーケティング戦略の素早い修正を迫られてきた。ナイキのデザイナーがソーシャルメディアに香港デモを支持する投稿をしたところ、中国本土の企業がナイキの新スニーカーの販売を中止した。大塚製薬の清涼飲料水「ポカリスエット」は、政府寄りとみられている香港テレビ局へのCM出稿を取りやめたところデモ参加者の愛用ドリンクとなったが、中国では不買運動に直面するはめになった。また、香港のあるベーカリーは抗議運動をテーマにした焼き菓子を売り出し、販売を大きく伸ばした一方で、罵詈(ばり)雑言も浴びせられた。