中国企業による自社株買いが急増し、記録的な額に達している。背景には、株式市場の回復を下支えしたい政府の思惑がある。データ会社ウィンドによると、上海と深センに上場する企業による自社株買いは今年936億元(約1兆5000億円)に達した。2018年通年の510億元の倍近くとなり、11年に記録を取り始めて以降の最高額となっている。昨年相場急落に直面した規制当局は自社株買いの奨励に動き、許可の条件を緩めた。以前は、ストックオプション(自社株購入権)に関わる希薄化への対応など限られた場合でしか認められていなかったが、企業価値や株主の利益を保護するといった目的でも可能になった。今年に入っての自社株買いの最高額は、乳業大手の内蒙古伊利実業集団による41億元。保険大手の中国平安保険は34億元となっている。
中国で自社株買い急増、政府は株価下支え狙う
有料会員限定
あなたにおすすめ