ボーイングの新型旅客機「737MAX」の長期にわたる運航停止は、米経済に波及的に影響し、同国の貿易収支を悪化させ、航空各社やサプライヤー、そうした企業で働く労働者数万人の見通しを曇らせている。合弁を通じてMAXにエンジンを供給するゼネラル・エレクトリック(GE)から部品サプライヤーに至る企業が、財務悪化の一因や業績予想の発表見送りの理由としてMAXの引き渡し停止を挙げている。国内外の幾つかの航空会社がMAXを理由に路線や輸送能力の拡大規模を削り、操縦士の採用や昇格を遅らせている。一方、エコノミストらはボーイングの生産削減が4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)を圧迫したとみており、同社が10-12月期(第4四半期)の引き渡し再開目標を達成できなければ悪影響が強まりかねないと警鐘を鳴らしている。