知らぬ間に「反日親韓論者」に
仕立て上げられた筆者
朝鮮日報日本語版が7月22日に配信した記事を見て、筆者は深い失望の念を抱いた。今回の日韓対立について筆者が別のメディアに寄稿した記事の内容が、朝鮮日報の記事に引用され、いつの間にか「反日親韓論者」であるかのようなイメージに仕立て上げられてしまっていたからだ。
引用されたのは、筆者が先日、ダイヤモンド・オンラインに寄稿した記事「韓国と対立するほど文政権の思惑にはまりかねない日本への警鐘」の一部である。
筆者は今回の日韓対立について複数のメディアに寄稿を行い、自らの意見を述べてきたが、朝鮮日報ではそれが逆手にとられたかのような論調になっている。はっきり言って、これは悪質な捏造に近いという印象だ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/22/2019072280057.html
日本の韓国に対する優遇措置撤廃の話について、改めて筆者の主張を簡潔にお伝えしておく。
今回の韓国政府の主張は、全く正義も根拠もないただの言いがかりだ。日本政府の対応は国際法上何の問題もなく、妥当な国内措置をとったにすぎない。
とはいえ現実問題として、韓国側による過剰反応も含め、今回の問題が長期化すれば、日韓が長期にわたり構築してきた経済連携がぎくしゃくし、両国の産業にとってマイナスになりかねない。そのことは、これまでも述べてきた。
しかし筆者は、日本政府が間違っているとは言っていないし、日本政府の措置を批判してもいない。今回の問題は、朝鮮日報の報道姿勢に問題があると感じる。韓国を代表する新聞メディアがこういう恣意的な情報の切り取り方をするから、「韓国側の事情も読み取って」という冷静な議論ができなくなるのだ。
具体的に、朝鮮日報に何を書かれたのか、1つずつ説明していきたい。まず記事の見出しを再掲すると、こうだ。
「日本の専門家も「日本の利益ばかり追求すれば、いつかは自分たちもやられる」
「早大教授が批判、日本国内からも輸出規制批判論」