MGMリゾーツ・インターナショナルのジム・ムーレン会長兼CEO
ジェームスJ・ムーレン/コネチカット州フェアフィールド出身、同州トリニティ・カレッジで美術史と都市計画の学士号を取得。MGMリゾーツ入社以前は、ニューヨークの投資銀行でホスピタリティ産業のトップアナリストとして活躍。2008年にMGMリゾーツ・インターナショナル会長兼CEOに就任、09年に開業したラスベガスのIR「シティ・センター」の開発をリード。近年は非ゲーミング部門の収益拡大に注力している。アメリカ・ゲーミング協会の会長、ブルッキングス研究所の評議委員、米国国家インフラ諮問委員、米国経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」のメンバーでもある Photo by Kazutoshi Sumitomo

カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す大阪府・大阪市に、海外のIR大手が熱い視線を送っている。そのうちの1社、MGMリゾーツ・インターナショナルは、大阪でのIRビジネスにどんな可能性を見ているのか。ジム・ムーレン会長兼CEOに聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 津本朋子)

マカオに不足していて
大阪が持っているものとは?

――日本がようやく乗り出すIRビジネスですが、近隣では、マカオが一大集積地になっており、カジノの売上規模では世界一です。大阪はマカオと伍して戦っていける市場になれるでしょうか?

 ご存じのように、マカオは元々、ポルトガルの統治下にあって特殊な歴史を持っており、ギャンブルの中心地として栄えてきました。しかし今、中国政府はギャンブルだけでなく、様々な観光サービスに産業を広げていきたいと考えています。

 実際、中国政府は香港とマカオを結ぶ橋を作るなど、インフラ面でのバックアップを進めています。しかし、まだまだ十分ではない。IR施設も、今以上にMICE(国際会議や学会などのビジネスイベント)はもちろん、個人向けのエンターテインメントサービスを伸ばしていかなければなりません。

 その点、大阪は多くのアドバンテージを持っています。例えば空港。関西には3つの世界レベルの空港があります。かつ、多様性のある経済の集積地ですし、豊かな歴史も持っている。これらは外国人を十分に引きつけるものです。

――大阪には、マカオに負けない観光資源がある、と。

 関西には7府県がありますが、それぞれが特徴のある歴史を育んできたと思います。寺社仏閣のような歴史的建造物はもちろん、美術館や博物館、四季折々の自然、瀬戸内海の島々などなど、豊富な観光資源を持っている。外国人が何度来日したとしても、一生かかっても味わい尽くせないんじゃないでしょうか。